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谷村丹後は1964年奈良県生駒市高山生まれ、先祖と同じく一子相伝の秘伝を習得している谷村家の20代目当主です。高山は500年以上にわたって日本の茶筅作りの中心であり、谷村家は江戸時代に徳川幕府によって名字を与えられた茶筅師十三家のうち現存する三家の一つです。
室町時代後期に、大和鷹山の情趣高山大膳介頼栄の二男が、当時の奈良称名寺住職 村田珠光の助言を得て茶筅を創案したと伝えられています。
その茶筅作りの技法を鷹山家の家臣に伝授し、余技として茶筅作りをしていましたが、鷹山家没落後に地名も「高山」に改まり、茶筅作りの技法が生業となりました。 その後、茶道の隆盛と共に需要も高まり、豊臣秀吉や徳川幕府によって保護産業として優遇されました。
当家においては、徳川将軍家御用達茶筅師として「丹後」の名が記録され、将軍家以外にも仙洞御所や公家、諸大名への納入の際に使用された木札や提灯箱が残されています。